夕暮れの空の色を閉じ込めた宝石タンザナイト
キリマンジャロの麓に広がる夕暮れの空。その神秘的な青紫色を閉じ込めたかのような宝石、それがタンザナイトでございます。まるで魔法にかけられたかのように、見る角度によって色合いが変化する不思議な輝きは、多くの方々の心を虜にしてまいりました。
歴史と発見の物語
タンザナイトの歴史は、つい最近のことでございます。1967年、アフリカのタンザニアで、マサイ族の方々が偶然に発見したのが始まりでした。当初はサファイアかと思われましたが、実は全く新しい宝石だったのでございます。
優美な名前の由来
この宝石に「タンザナイト」という素敵な名前を付けたのは、高級宝飾店ティファニーの社長プラット氏でございました。産地のタンザニアにちなんで名付けられたと言われておりますが、キリマンジャロ山の夕暮れの空の色合いを思わせることから「タンザニアの夜」という意味も込められているそうでございます。
神秘的な特性
タンザナイトの最も素晴らしい特徴は、見る角度によって色合いが変化する多色性にあります。見る角度によって、青や紫、時には赤みがかった色まで見せる宝石なのでございます。
また、光の種類によっても色が変化いたします。太陽光の下では青みが強く、白熱灯の下では紫がかって見えるのだそうでございます。
モース硬度は6.5から7.0と、やや柔らかめの性質を持っております。そのため、大切な宝石として丁寧にお取り扱いいただく必要がございます。
タンザナイトの種類
タンザナイトには、いくつかの種類(色)がございます。
- ブルータンザナイト:
最も一般的で人気の高い青色のタンザナイトでございます。 - バイカラータンザナイト:
青と緑、または青と紫など、二色が混ざった珍しいタンザナイトでございます。
石言葉と伝承
タンザナイトには「神秘」「冷静」「誇り高き」「高貴」という美しい石言葉が添えられております。
愛されるジュエリーとして
タンザナイトは12月の誕生石の一つとして選ばれており、ターコイズやジルコンと並んで冬の誕生石として親しまれております。
クールで落ち着いた印象を与えるタンザナイトは、年齢を問わず誰にでも似合う宝石でございます。シルバーと合わせて爽やかに、ゴールドと組み合わせて華やかに、またプラチナやダイヤモンドと共に上品に仕立てることもできます。
むすび
タンザナイトは、夕暮れの空のような神秘的な色合いと、見る角度によって変化する表情を持つ、とても魅力的な宝石でございます。世界でただ一か所、タンザニアのメレラニ鉱山でしか産出されない希少な宝物として、これからも大切に受け継がれていくことでございましょう。
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