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アレキサンドライト Alexandrite

アレキサンドライト ネックレス

昼はエメラルド、夜はルビー – 神秘の宝石アレキサンドライトの魅力

アレキサンドライトはまるで魔法のように光によって色を変える、とても珍しい宝石なのでございます。

昼間の太陽の下では美しい緑色に輝き、夜のろうそくや白熱灯の光の下では深い赤色や赤紫色に変わる – そんな夢のような宝石が本当にあるのです。

ところでアレキサンドライトってどんな石?

アレキサンドライトの歴史 – ロシアの大地に眠る宝

アレキサンドライトの物語は、19世紀のロシアから始まります。1830年頃、ロシアのウラル山脈で美しい緑色の石が発見されたのです。最初はエメラルドだと思われていましたが、実はそれは全く新しい宝石だったのでございます。

この発見は、ロシア帝国に大きな興奮をもたらしました。新しい宝石の採掘が始まり、多くの人々がその美しさに魅了されたのです。しかし、ウラル山脈の鉱床はそう長くは続きませんでした。今では、スリランカや東アフリカ、ブラジルなどで採掘されているそうでございます。

名前の由来 – 皇帝への贈り物

さて、この美しい宝石はどのようにして「アレキサンドライト」という名前を得たのでしょうか。それは、ロシアの皇太子アレクサンドル2世にちなんで名付けられたのでございます。

伝説によりますと、この宝石が発見された日がアレクサンドル2世の誕生日であったことから「アレキサンドライト」と名付けられたと言われております。

しかし、実際の発見日と命名の経緯については諸説あるようでございます。

面白いことに、アレキサンドライトの色が変わる特性が、当時のロシア帝国軍の色である赤と緑を象徴していたため「皇帝の宝石」として大いにもてはやされたのだそうです。

アレキサンドライトの特性 – 魔法のような色変化

アレキサンドライト 昼

アレキサンドライトの最大の魅力は、なんと言ってもその驚くべき色変化でございます。これは「変色効果」または「アレキサンドライト効果」と呼ばれる現象なのです。

昼間の自然光の下では、美しい緑色や青緑色に輝きます。そして、夜のろうそくの灯りや電球の光の下では、深い赤色や紫がかった赤色に変化するのです。まるで、一つの石の中に二つの宝石が宿っているかのようでございますね。

アレキサンドライト 夜

この不思議な現象は、アレキサンドライトの中に含まれるクロムという成分によるものだそうです。クロムが特定の波長域の光を吸収し、人間の視覚特性と相まって、このような色の変化が起こるのだとか。

また、アレキサンドライトは非常に硬い宝石でもあります。モース硬度が8.5もあるので、日常的に身につけるジュエリーにも適しているのでございます。

アレキサンドライトの種類と特徴

アレキサンドライトには、産地によって少しずつ特徴が異なります。

  1. ロシア産アレキサンドライト
    最初に発見された産地で高品質とされていますが、現在ではほとんど採掘されておらず、市場にはデッドストックや還流品が多く流通しています。
  2. ブラジル産アレキサンドライト
    透明度が高く、青みを帯びた緑色から赤紫色に変化するものが特に人気があるそうです。
  3. スリランカ産アレキサンドライト
    大きな石が産出されることがありますが、黄色みを帯びた緑色や茶色みを帯びた赤色になる傾向があり、色変化はロシア産ほど顕著ではないそうです。
  4. インド産アレキサンドライト:
    最近注目されている産地で、良質な石が採れるそうでございます。
  5. タンザニア産アレキサンドライト:
    アフリカで採れるアレキサンドライトの代表格です。色の変化が美しいものが多いそうです。

それぞれの産地の石には、その土地の個性が宿っているようで、とても興味深いですね。

アレキサンドライトの石言葉 – 心に秘めた想いを表す宝石

アレキサンドライトには、いくつかの美しい石言葉が与えられています。主なものをご紹介いたしましょう。

  • 情熱
  • 誕生
  • 高貴
  • 出発
  • 秘めた想い

これらの言葉は、アレキサンドライトの持つ二面性や変化する性質から生まれたものだと思われます。昼と夜で異なる顔を見せるこの宝石は、私たちの心の中にある秘めた想いや、表には出さない情熱を表しているのかもしれません。

また、ロシアでは守護石としても大切にされてきました。危険を察知し、身を守ってくれる石として、特に軍人の間で人気があったそうでございます。

新しい6月の誕生石

2021年、日本では63年ぶりに誕生石の改訂が行われ、6月の誕生石に新たにアレキサンドライトが加わりました。

それまではパール(真珠)とムーンストーンが6月を象徴する石として親しまれておりましたが、アレキサンドライトの持つ神秘的な魅力が評価され、仲間入りを果たしたのでございます。

ちなみに、アメリカでは1952年から既に6月の誕生石として認められておりました。

まとめ – 魔法の宝石、アレキサンドライト

アレキサンドライトは、その美しい色変化と希少性から、多くの人々を魅了し続けている宝石です。昼と夜で異なる顔を見せるその姿は、まるで私たち人間の心のようでもあります。表の顔と裏の顔、昼の姿と夜の姿 – そんな二面性を持つ私たちの心を、アレキサンドライトは静かに映し出してくれているのかもしれません。

また、アレキサンドライトは変化を象徴する石でもあります。新しい出発や、人生の転機に寄り添ってくれる、そんな心強い存在なのです。

アレキサンドライトは、私たちに夢と魔法を与えてくれる、そんな特別な宝石なのです。皆様も機会がありましたら、ぜひこの神秘的な宝石の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。きっと、新しい世界が広がることでしょう。

今日は、アレキサンドライトについてお話しさせていただきました。この不思議な宝石の物語が、皆様の心に少しでも残れば幸いでございます。

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