
昼と夜、ふたつの顔を持つミステリアスな宝石 アレキサンドライトの魅力
アレキサンドライト。
この名前を聞いて、ピンと来る人はどれくらいいるだろ?
宝石好きなら一度は耳にしたことがあるかもしれないけれど、一般的にはまだまだあまり知られていないような気がする。
でもこの石、ただものじゃない。
太陽光、白熱灯など、光の種類によって色がかわる「魔法のような」と言われる石なのだ。さらには2021年12月には、真珠やムーンストーンと並ぶ6月の誕生石としてこのアレキサンドライトが新たに追加されている。
アレキサンドライトの石言葉
アレキサンドライトが持つとされる石言葉は、こんな感じ。
- 情熱
- 秘めた想い
- 高貴
- 誕生
- 栄光
- 出発
内に秘めた情熱が、ある瞬間に花開く。新しい自分を発見する。そんな、変化の時を応援してくれるような、そんなイメージかな。
心に響く、アレキサンドライトの効果って?
アレキサンドライトの効果として言われているものは以下。
- 才能開花
- 危機回避
- 柔軟性
- バランス感覚
- 精神的成長
色が変わるというアレキサンドライトの一番の特徴が、ふたつの側面から見る力につながっているのだろうね。
例えば、昼の緑色は「冷静さ」や「平常心」、夜の赤色は「情熱」や「行動力」を象徴している、なんて言われることもある。このふたつを行き来することで、感情に流されすぎず、かといって頭でっかちにもならず、ちょうどいいバランス感覚を養う手助けをしてくれる。そんな風に考えられているみたい。
困難な状況にぶつかったときも、ひとつの見方にとらわれず、別の角度から解決策を見つけ出す、そんな柔軟な思考力をサポートしてくれるとも言われる。自分の中に眠っている可能性や才能を引き出し、新しいステージへと踏み出す勇気を与えてくれる、なんて話も。
もちろん、これらは昔からの言い伝えだったり、石の持つ雰囲気から連想されるイメージだったりするのだけれども、それでもこの石を身につけていると、なんだか「大丈夫、私には違う視点もある」って、心が少し強くなれる気がするのは不思議だよね。
アレキサンドライトがオススメの人
アレキサンドライトは、特にこんな方にオススメ♪
✅ 人生の岐路に立ち、新しい一歩を踏み出したい人
✅ 自分の中の多様な側面を受け入れ、バランスを取りたい人
✅ クリエイティブな発想や、新しいアイデアを求めている人
✅ 周りの意見に流されず、自分の信念を貫きたい人
✅ 二面性やギャップに魅力を感じる、ミステリアスな人
アレキサンドライトのお手入れ方法
繊細そうに見えて、実はアレキサンドライトは比較的丈夫な石。モース硬度っていう、石の硬さを示す指標では8.5。これはダイヤモンドの10、ルビーやサファイアの9に次ぐ硬さ。なので、普段使いにも結構向いてる。
でも、いくら硬いからといっても油断は禁物。強い衝撃を与えれば、欠けたり割れたりすることもあるから、ぶつけやすい作業の時は外すのがおすすめ。
汚れが気になったら、柔らかいブラシとぬるま湯、中性洗剤を使って優しく洗ってあげよう。洗った後は、しっかり水分を拭き取ってね。超音波洗浄機も基本的には大丈夫とされているけど、石の状態によっては避けた方がいい場合もあるから、購入したお店に相談するのが一番安心かな。
そして、石をリフレッシュさせるという「浄化」。色々な方法があるけれど、アレキサンドライトにはこんな感じ。
月光浴 | ◎ | 特に満月の日がおすすめ |
水晶クラスター | ◎ | クラスターの上に置くだけでOK |
セージ | ○ | 煙に軽くくぐらせる程度。火の取り扱いに注意 |
流水 | △ | 短時間ならOK、洗剤は避けて。つけ置きはNG |
太陽光 | × | 長時間の照射は変質・退色の可能性があるので避けて |
月光浴は、優しい月の光がアレキサンドライトの神秘的な雰囲気にぴったりな気がする。満月の夜に、窓辺にそっと置いてあげるだけで、なんだか石も喜んでいるように見えるから不思議。
アレキサンドライトの基本プロフィール
ここで、アレキサンドライトの基本的な情報をちょっとだけ。
- 鉱物名: クリソベリル (Chrysoberyl)
- 和名: 金緑石 (きんりょくせき) または 変彩金緑石 (へんさいきんりょくせき)
- 化学組成: BeAl₂O₄
- モース硬度: 8.5
- 主な産地: ロシア、ブラジル、スリランカ、インド、タンザニア、マダガスカルなど
アレキサンドライトは、「クリソベリル」っていう鉱物の一種。このクリソベリルには、猫の目みたいに光の筋が現れる「キャッツアイ効果」を持つものもあって、そちらは「クリソベリル・キャッツアイ」として有名。
アレキサンドライトの最大の特徴は、なんといっても「カラーチェンジ効果(変色効果)」。これは、光源に含まれる光の波長の違いによって、石の色が変わって見える現象のこと。太陽光や蛍光灯の下では青みがかった緑色に見えて、白熱灯やロウソクの光の下では赤紫色に見えるのが典型的。この色の変化がはっきりしているほど、価値が高いとされている。
産地によっても、色の濃さや変化の度合いに個性があると言われていて、たとえば、最初に発見されたロシアのウラル産は、ドラマティックな色の変化で知られているけれど、今はもうほとんど採れない幻の石。ブラジル産は、比較的はっきりとした色変わりを見せるものが多くて人気。スリランカ産は、少し落ち着いた色合いのものが多い印象。でも、産地だけで品質が決まるわけじゃなくて、あくまで個体差が大きいのが石の面白いところだよね。
アレキサンドライトの歴史
アレキサンドライトが発見されたのは、1830年代のロシア、ウラル山脈。エメラルド鉱山で発見された当初は、緑色の石という理由でエメラルドだと思われていたのだとか。でも、ある日、鉱夫がこの石を持ち帰りロウソクの灯りで見てみたら……、なんと赤色に変わっていた!
ちょうどその頃、ロシア皇太子(後の皇帝アレクサンドル2世)の誕生日が近かったことから、この不思議な新種の宝石に彼の名前「アレキサンドライト」が捧げられた、という有名な話がある。
しかも、当時のロシア帝国軍のカラーは緑と赤。まさにアレキサンドライトの色と同じだったものだから、「皇帝の宝石」として、ロシアの貴族たちの間で大人気になったと言われている。
ただ、最初に発見されたウラル山脈の鉱床は、良質なものがすぐに枯渇してしまい、一時は本当に「幻の宝石」だった時期もある。その後、スリランカやブラジルなど、他の地域でも発見されるようになって、少しずつ私たちの目にする機会も増えてきた。それでも、質の良いアレキサンドライトは、今でもすごく希少で高価な宝石のひとつになっている。
名前の由来
名前の由来は、さっきの歴史の話でも触れたけど、ロシア帝国の皇太子アレクサンドル(後の皇帝アレクサンドル2世)にちなんで名付けられたというのが定説。発見された日や、最初に献上された日が、彼の誕生日や成人式だった、なんていう説もある。
和名では、「金緑石(きんりょくせき)」というクリソベリル全体の名前で呼ばれたり、色の変化を強調して「変彩金緑石(へんさいきんりょくせき)」と呼ばれたりすることも。
まとめ
昼の顔と夜の顔。冷静さと情熱。光によって姿を変えるアレキサンドライトは、まるで私たち人間の心みたい。明るい部分も、ちょっと影のある部分も。強さも、弱さも。
その希少性と、ドラマティックな色の変化から、「皇帝の宝石」なんて呼ばれることもあるけれど、私にとっては、もっとパーソナルな、心の変化に寄り添ってくれるお守りのような存在に見える。
ちょっとお高めの石だけど、もしもアレキサンドライトに興味が出てきたなら、ぜひ一度は手にとってみて、その二面性を感じてみてください。

名前/和名 | アレキサンドライト/金緑石(きんりょくせき)変彩金緑石(へんさいきんりょくせき) |
石言葉 | 秘めた想い、高貴、誕生 |
パワーストーン | 危険回避・魔除け 自己成長・能力開花 感情の安定・バランス |
相性の良い石 | ムーンストーン、クリスタル、プレナイト |
浄化方法 | 月光浴、水晶クラスター、セージ |
モース硬度 | 8.5 |
その他 | 光源によって顕著な変色効果(アレキサンドライト効果) 6月の誕生石 世界三大希少石(他にパライバトルマリン、パパラチアサファイア) |
アレキサンドライトのなぞり書きシートはこちら↓↓↓