#10 アイオライト（菫青石）

　深き青紫の色合いをたたえ、見る角度によりて色を移ろうアイオライト。古のバイキングは、この石を羅針盤となし、大海原を渡りゆきぬ。
　スミレ色にちなみて名づけられたる石は、菫青石とも呼ばれ、その透明なる結晶の内に、青き海の深さと紫の神秘とを宿す。太陽の光を受けて青色に輝く様は、海のサファイアのごとくまさに、見る者の心を魅了するなり。
　人生の迷いし時、正しき道を明らかにする力を持つと伝えられ、古より航海の守り石として重んぜられき。その清らかなる輝きは、心と身に積もりしけがれを清め、澄み渡る心境へと導くという。まことに、この石こそ人の魂の羅針盤なり。